5.住み替えの売買契約は慎重に準備してタイミングを図る

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マンションを買いたい人は内覧で気に入ったら買付申込をします。売主のあなたはその内容を見て、受け入れるかどうか判断しましょう。

値下げ交渉もここで行われます。

金額や引き渡し日でお互いに同意ができたら次は売買契約です。

住み替えの3パターン(売り先行・買い先行・売り買い同時進行)でどう変わるのかと合わせて見てきましょう。

購入申込

購入申込は購入希望者から売主に希望条件を出して、交渉する段階です。

購入申込書に書かれている主な項目は以下の通りです。

  • 購入希望価格
  • 引き渡し希望日
  • 住宅ローン利用の有無
  • 住宅ローン事前審査の有無

価格については相手が「これで買えたらうれしい……」と思っているだけの金額です。あなたが納得できなければもちろん断れます。この金額を基準に値下げ交渉が始まると考えて、落としどころを探りましょう。

売却のスタート段階で少し値引き幅を上乗せした価格にしておくと、落ち着いて交渉が進められます。

また中古マンションは住宅ローンを使って購入する人がほとんどですが、さらに事前審査を通過していると安心です。審査落ちして契約が白紙に戻るリスクが減らせます。

リノベーション目的の人や倹約家の人もいますが、中古マンションを検討している人は新築マンションを選ぶ人よりは資産が少ないと考えられます。なので、住宅ローンの審査落ちによるキャンセルには警戒しておきたいところです。

売り先行の購入申込

先にマンション売却を終える売り先行のケースでは、購入申込の段階では余裕を持って、高値での売却を目指しましょう。

あまりに安い価格での購入申込は断って、希望通りの価格で買ってくれる人を探すのが賢明です。

ダメ元の値下げ交渉をしている可能性もあるので、「値下げはできません」ときっぱり伝えると相手の態度が変わるかもしれません。

売り先行ではとにかくじっくり粘り強く売却を進めましょう。

買い先行の購入申込

買い先行ですでに新居を購入して引っ越しが終わっているケースでは、購入申込が入ったらかなり有望です。

荷物もなく空室状態のマンションを見て「買いたい!」と連絡してくるのですから、購入したらすぐに引っ越せると思っています

引っ越したあとに生活をイメージしていると、もうその部屋が自分のもののように感じられるのが人間の心理です。

期待値が高まっている分、値引き交渉があまりうまくいかなくても買ってくれるでしょう。大幅な値引きには応じる必要はありません。

もし新居の一戸建てとマンションの二重ローン状態が続くのがつらくなってきたら、妥協してある程度の値下げに応じるのもいいでしょう。

売り買い同時進行の購入申込

売り買い同時進行で住み替えを進めているケースでは、キャンセルによるダメージが大きいので、確実に購入してくれる人を選ぶ意識が重要です。

  • 住宅ローンの事前審査を通過している人を優先させる
  • 事前審査をしていない人にはお願いしてみる

などとにかくキャンセルの可能性を減らすようにしましょう。

もしマンションの売買契約後に買主都合でキャンセルになってしまったら、新居の購入資金が得られません。すると、あなたの新居の一戸建て購入もキャンセルするしかありません。

売買契約

購入申込を経て条件面の合意ができたら、次は売買契約です。

売主と買主、お互いの不動産会社の担当ひとりずつの合計4人で売買契約の手続きを進めるのが一般的です。

場所はどちらかの不動産会社のオフィスです。売主のあなた側のことが多いでしょう。

売買契約書の内容は前日までにFAXかメールか郵送で送ってもらい、一度読んでおくようにしましょう。売買契約の当日に専門用語がいっぱいの契約書をいきなり見ても理解は困難です。

中古マンションの売買は高額になるため、なんとなく契約を結ぶのは危険です。

また売買契約の時点で手付金を受け取りますが、キャンセルになればそのまま返金しなければならないので、使わないように別に管理しておいてください。

売買契約で準備しておくもの

  • 印鑑(実印がベターですが、法律上は認印でも可)
  • 身分証明書(免許証やパスポート、マイナンバーカードなど写真付きのもの)
  • 登記識別情報通知書(マンションの権利書)
  • 手付金受領用の領収書(不動産会社が用意してくれる)
  • 売買契約書に貼る印紙税代1万円(印紙は不動産会社が用意してくれるのでお金を用意、1万円は1000万円から5000万円の場合)

売り先行の売買契約

売り先行では売買契約が終わったら購入予算が決まるので、新居探しがスタートできます。

売買契約の段階で引き渡し日も決まります。

新居購入がスムーズに進んで引き渡し日に間に合いそうと思うなら、引き渡し日を少し遅めにしてもらうのもアリでしょう。

売買契約が終わった後でも交渉次第で数日遅らせてもらえる可能性はあります。引っ越しが2回になるよりは節約できるので、あきらめずに交渉してみましょう。

この際、新居購入の契約には買い替え特約を付けてもらい、「売却がもしキャンセルになったら購入も取りやめます」と伝えるのを忘れないようにしてください。

買い先行の売買契約

買い先行では既に新居に引っ越しているので、売買契約から引き渡しを短期にできます。

なるべく早く引き渡しをする方が、固定資産税や修繕積立金の負担も減るので、「もう空き部屋なので早く引き渡しをしたい」と伝えて交渉しましょう。

売り買い同時進行の売買契約

売り買い同時進行では、引き渡し日の設定がとても大事です。具体的には引渡し猶予の特約を売買契約に盛り込みます。

引渡し猶予の特約をつけると、決済後、数日から1週間程度売却したマンションに延長して住むことができます。その期間に新居の購入手続き(代金支払い)と引っ越しを終わらせます。

所有権はすでに相手に移っています。

新居購入のタイミングをよく考えて、日程調整する必要があります。

また住宅ローン残高が多く住み替えローンを利用する予定なら、マンション売却と一戸建て購入の契約を同日に行うのが必須です。不動産会社の担当とよく相談してください。

この場合でも引っ越しのために数日の引渡し猶予をもらいましょう。

また売り買い同時進行では、新居購入の契約には買い替え特約を付けて、万一のキャンセルに備えておきましょう。マンション売却がダメになれば一戸建て購入もキャンセルできます。

編集後記

住み替えのマンション売却における購入申込と売買契約を、3パターン(売り先行・買い先行・売り買い同時進行)に分けて見てきました。

住み替えは、手続き関連でもしちょっとしたミスがあって日程がズレると、購入や売却をキャンセルせざるを得ない可能性があります。

売買契約は慎重すぎるくらいで構わないので、不動産会社の担当にしつこく確認して進めていきましょう。

不安なら確実に買ってくれそうな人からの購入申込を待つ方法もあります。

売買契約をしたら、次は売却代金全額の受け取り(決済)と部屋の引き渡しです。

6.住み替えの決済と引き渡しは猶予期間と引っ越しがカギ

6.住み替えの決済と引き渡しは猶予期間と引っ越しがカギ
中古マンション売却代金の決済と引き渡しは同日に行うのが基本ですが、住み替えでは引っ越しや新居契約のために、引渡し猶予の特約を利用するケースが多くあります。住み替えローンを利用する場合は、マンション売却決済の日に一戸建て購入の決済も行わなければなりません。いつ新居や仮住まいに引っ越せるかで、進め方が変わってきます。予定どおりに進められるよう、書類の準備をしっかりしておきましょう。
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