5.購入申込は素早く!売買契約は慎重に

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購入申込と売買契約 STEP5

内覧で「このマンションを買いたい!」となった人は購入申込をします。

購入申込では「いくらで買いたい!」と具体的な金額を提示されるので、そこから価格交渉をしましょう。理不尽な値下げに応じる必要はありません。

そして価格交渉がまとまったら、次は売買契約です。

売買契約まで進めばマンション売却の終わりまであと少しです。

ここでは転勤でのマンション売却における購入申込売買契約の2つを詳しく見ていきましょう。

購入申込

購入申込とは書面(購入申込書や買付申込書と言います)で「いくらでこのマンションを買いたい!」と連絡が入ることを指します。

書面には売買契約日や引き渡し日なども記載されていますが、価格も含めて相手の希望が載っているだけで、こちらの都合で調整と交渉ができます。

購入申込があれば、不動産会社の担当からあなたに電話が入るのが一般的です。

できれば引っ越す前に担当の携帯電話番号を教えてもらって、電話帳に登録しておくといいでしょう。仕事中で出られなかった場合でも、早めに折り返して対応スピードを上げられます。

最初の電話で返事をする必要はないので、「○日までに検討して折り返します」と伝えましょう。

内覧時にすでに転勤先に来ていて、購入希望者と顔を合わせていない場合は、「買主はどんな人で、どういう点が気に入ってくれたのでしょうか?」と電話口で聞いてみてください。伝えておいた方がいい点や交渉に活かせる材料が出てくるかもしれません。

電話のあと、家族で相談して金額や条件を確認した上で、どう応じるかを決めて不動産会社の担当に連絡します。

値下げ交渉にどう向き合うか

マンションの立地や内装、設備に問題がなく「買っても良い」と思ってもらえたからこそ購入申込が入ります。

しかしそれでも購入申込では売り出し価格より低い金額で買いたい(指し値)と言われることが多いので、覚悟しておきましょう。

返事の仕方としては、

  • どうしてもその人に買ってもらいたいならそのまま応じる
  • 妥協できるラインを考えて「○○○○万円までの値引きなら可能」と返事をする
  • 時間がかかっても高く売りたいなら「値引きには応じられない」とハッキリ伝える

の3パターンでしょう。

先に立場を決めておくと迷いがなくなります。値引き交渉で驚かないように備えておきましょう。

買主側もダメでもともとの気持ちで指し値をしているので、値引きしなくてもそのまま売買契約に進む可能性もあります。

売り出し価格を最初に決めたときに少し値引きできるように上乗せしていれば、値下げ交渉が入っても落ち着いて対応できます。少しだけ値引きしてあげると気持ちよく買ってもらえます。

相場からかけ離れた高い価格にすると売れにくくなってしまいますが、値引きを想定してほんの少し上乗せするテクニックはぜひ使ってみてください。

購入申込の返事はなるべく早めにする

購入申込を受けたら、なるべく早く返事をしましょう。

「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、買主も気持ちが盛り上がっている状態なので、そのまま一気に売買契約まで進んだ方がスムーズにいきます

これが分かっているので、不動産会社の担当としても早く返事をしたいのです。

金額の面で家族に相談する場合もなるべく早めに決断できるように、想定より安い価格で買い付けが入ったときにどういう対応をするか決めておくといいでしょう。

購入申込の注意点

購入申込で注意するのはキャンセルと住宅ローン利用についてです。

購入申込はキャンセル自由

購入申込書は強制力のある書面ではありません。そこにいくらで買うと書いてあったからと言ってその価格で強引に買ってもらうことはできないのです。

一方で売買契約は強制力があります。

だからこそ早めに売買契約まで進みたいのです。

住宅ローン利用の有無と事前審査

ほとんどの買主は住宅ローンを借りて中古マンションを買うので、住宅ローン利用の有無が購入申込書には記載されています。現金で買う人もいないわけではありませんが圧倒的に少数派です。

相手が公務員や上場企業社員、勤続年数の長い正社員なら問題ない可能性が高いのですが、まれに住宅ローン審査の通らない買主もいます。

住宅ローンが借りられないともちろん買えないので、売却はご破算です。また最初から売却活動をやり直さないといけません。

こういう事態にならないように、住宅ローンの事前審査を受けている場合があります。「これくらいの金額なら貸せますよ」と銀行からお墨付きをもらっているわけです。

似たような金額の買付が二件あって、片方が事前審査を通過しているなら、そちらを優先させるとスムーズに売却が進むでしょう。

売買契約

買主と条件がまとまったら、双方立ち会いのもとで中古マンションの売買契約を結びます。

契約手続きをする場所は仲介を依頼している不動産会社のオフィスが一般的です。

もし転勤先が遠くて足を運べない場合は、信頼できる代理人を立てるか、郵送での契約になります。

売買契約では、宅地建物取引士の資格を持った不動産会社の人が重要事項の説明を買主に対して行います。

売主は重要事項説明を受ける必要はないので、集合時間がその分遅くなっていることもあります。

売買契約前の準備

売買契約の日程が決まったら必ずしておきたいのが、先に契約書の内容を見せてもらうことです。

契約当日は細かい文言が分からなくても雰囲気に流されてそのままスルーしてしまいがちなので、あらかじめ自宅でゆっくり確認しておく時間を取りましょう。

分からない点があってもインターネットで検索すればほとんどのことは解決できます。調べても分からない場合には遠慮なく不動産会社の担当に説明してもらいましょう。

特に瑕疵担保責任については売主としてきちんと理解しておいてください。売却後に多額に費用負担を求められる可能性もあります。

瑕疵担保責任とは、売買契約時に表面化していなかった隠れた瑕疵(かし、キズや不具合)があったときに、売主が費用負担して修理をしなければいけないというものです。中古マンションの場合、引き渡し後3ヶ月以内のみと期間を限定するのが一般的です。

売買契約の流れ

売買契約は以下のような流れで進みます。

  1. 買主が重要事項説明を受ける
  2. 売主(あなた)が到着する
  3. 売買契約書の内容確認
  4. 売主と買主が売買契約書に署名、捺印をする(実印がベターですが、法律上は認印でも可)
  5. 買主から手付金を受け取り、領収書を渡す(領収書とそれに貼る印紙は不動産会社が用意してくれます)

そして売買契約のあと数週間から1ヶ月程度を空けて、売却代金の受け渡しと部屋の引き渡しとなります。

売買契約の手続き自体は意外とあっさりしたものです。

その代わり、売買契約で決めた内容には強い拘束力があるため、慎重に進めるようにしてください。

売買契約での注意点

売買契約で注意するのはキャンセル時のペナルティと住宅ローン特約です。

売買契約後のキャンセルはお金がかかる

売買契約後の自己都合キャンセルにはペナルティがあります。

買主がキャンセルする場合は、手付金をあきらめなければいけません。売主視点で見れば契約はなくなってしまいますが、手付金がまるまるもらえて得とも言えます。

一方、売主がキャンセルする場合は、手付金を2倍にして返さなければいけません。

結局どちらも手付金の金額の損をする形になっています。

売買契約を結ぶのはこれほど重いことなのです。「本当にこの人に売って大丈夫か」よく考えて進めてください。

住宅ローン特約のキャンセルはペナルティなし

買主が何らかの理由で審査落ちして住宅ローンを借りられなかった場合、ペナルティなしでキャンセルできると定めているのが住宅ローン特約です。白紙解約とも言います。

売主のあなたは手付金をそのまま返さなければなりません。時間をかけて契約を行った労力も無駄になってしまいます。

住宅ローン特約なしでは契約してもらえないので、このリスクをゼロにするのは難しいでしょう。白紙解約の可能性を低くするためには、事前審査を通っている人や収入が安定した人に買ってもらえるようにしたいところです。

遠方からの契約は代理人か郵送どちらがいいか

転勤先から売買契約のために足を運ぶのが難しい場合、代理人を立てるか郵送での契約ができます。

なんとなく代理人がいる方が良さそうに思えますが、郵送での契約手続きがおすすめです。

売主のあなたは重要事項説明を聞く必要がないので、書類への署名捺印だけを郵送で行えば売買契約は問題なくできます。

手付金については振り込みで処理してもらえば振り込み明細で証拠も残ります。

代理人はいくら信頼できる人でも「言った言わない」の問題や伝達ミスの原因になるので避けた方が無難です。

高額な売買契約でミスがあれば、のちのちの人間関係の問題にもつながってしまいます。

編集後記

購入申込はできるだけ早く対応して、鉄は熱いうちに打ちましょう。

売買契約の日は、契約書をじっくり読む時間はないので、予めコピーをもらってチェックしておくようにしてください。

また売買契約は土曜や日曜にも行えるので、転勤先からでもなんとか都合をつけて足を運べないか検討してみましょう。それでも無理なら郵送での契約手続きがおすすめです。

こうして購入申込を経て売買契約を結んだら、次は売却代金の受け渡し(決済)と部屋の引き渡しです。

6.売却代金の受け取り(決済)と部屋の引き渡しは準備が大事

6.売却代金の受け取り(決済)と部屋の引き渡しは準備が大事
転勤でのマンション売却で決済と引き渡しを行う場合、よく準備しておくようにしましょう。書類の不備や連絡漏れがあると、予定していた日に決済ができなくなり、もう一度足を運ぶ必要があるだけでなく、買主の損害を補償しなければいけないかもしれません。決済当日の流れと合わせて早めにチェックしておきましょう。
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